うつ

 WHO(世界保健機関)の報告によると、世界のうつ病患者は、女性が男性の2倍に上っています。なぜ女性に多いのか明らかな原因は不明ですが、ホルモンバランスの崩れが関係すると考えられています。

心の病はホルモン系と強く関連している

 女性は月経周期、出産前後、閉経前後に女性ホルモンの分泌量が変化するため、これが「うつ」のきっかけになることがあります。

<月経前不快気分障害>
 月経前にうつの症状が生じ、月経を迎えるとおさまってきます。 原因は不明ですが、月経前に脳内のセロトニンが低下すること、女性ホルモンのバランスの崩れの2つの説が有力です。

<産後うつ>
 出産後は妊娠中に増加していた女性ホルモンの分泌が急速に低下します。 出産後の軽度のうつ(マタニティ・ブルーズ)は約半数にありますが、産後10日続くような場合は、「産後うつ」へ移行している可能性があります。

<更年期うつ>
 更年期になると女性ホルモンの分泌量が急速に減少してきます。 そのため、自律神経のバランスが崩れて心身共に不安定な状態になりやすく、うつの原因になっていると思われます。

ストレスと関係が深いうつ病

 心のトラブルの中でもストレスともっとも関係深いのがうつ病です。女性の場合は、人間関係や過重労働、仕事と家庭の両立、育児の負担など肉体的・精神的ストレスから、精神のバランスを崩しがちになります。
 毎月ホルモンバランスが変化する女性は、自分の限界を自覚し、疲れたらこまめに休むなど早めに休養をとることを心がけましょう。無理を続けることは禁物です。

ホルモンが関係していても治療で改善する

 体調を崩したりしたときには、自分がストレスをためすぎ、心身共に疲れているのだと素直に受け入れて心の専門家(心療内科や精神科)を頼って下さい。
うつ病の薬を心配される方もいるかもしれませんが、薬への依存性はありません。

ライフスタイルの変化がストレスに

 たとえ幸せなできごとでも大きなライフスタイルの変化は心を不安定にすることがあります。
「うまくやらなきゃ」「早く慣れよう」という気持ちを思い切って捨てて、のんびり構えると、しだいに意欲が戻ってきます。
 つらい思いや悩みは早めに人に話すなどしてためないようにしましょう。

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